月一コラム第二十四弾!令和3年12月号

 2021年も残すところあと3週間となりました。
今年も新型コロナウイルスに振り回される1年となりました。しかしながら、感染の「第5波」が収束した現在、新型コロナウイルス陽性者数は抑えられており、このままいけば久しぶりに落ち着いた年末年始が迎えられそうです。次の「第6波」への備えを万全にすることは我々政治家の責任でもありますが、一方で「本当にこれまでの対策に意味があったのか?」については早急な検証が必要です。
 この点について私は何度も国会質疑で取り上げましたが、新型コロナ政府分科会等ではっきりした検証がなされた形跡はありません(内々でされているのかもしれませんが、発表はされていないと思います)。

 緊急事態宣言下では、様々な対策が実行にうつされました。
●飲食店における8時までの営業時間短縮や人数制限、アルコールの提供中止
●都道府県をまたぐ移動自粛をはじめとする様々な人流抑制
●イベント等における入場者数制限  など

 早く検証していただきたいのは、
A:これらの対策は直接的に感染拡大防止に効果があった。
B:直接の効果はなかったが、こういった対策を通して個人個人が危機感を持ち(アナウンスメント効果)、各人が感染予防に努力したので結果的に陽性者数を抑えることができた(陽性者数の山の高さを低くできた)。
のどちらだったのか?という点です。
 Aであるのなら、今後も感染拡大期には同じ対策を行えば良いですし、Bであるならアナウンスメント効果を出す方法を別に考えるべきで、これ以上、飲食店や観光業者、イベント事業者等だけに負担をかけるべきではありません。

  私は、対策の直接効果ではなく、あくまで新型コロナウイルス自体の勢いを反映して陽性者数は変化していたのではないかと考えています。つまりAというよりはBの可能性が高いのではないかということです。なぜなら日本の新型コロナウイルス陽性者数のグラフを見ても、人流の増減等を反映した凸凹のグラフにはなっていないからです。

 政府分科会の方々には、大変難しい作業とは思いますが、是非検証を急いでいただきたいと思います。尚、AであろうがBであろうが、個人個人の感染防止対策が重要であることに変わりはありません。皆様にはぜひその努力を続けていただき、安心できる楽しい年末年始をお過ごしいただきたく思います。

梅村 聡