月一コラム第十三弾!令和2年12月号
2020年(令和2年)がまもなく終わろうとしています。今年は、東京オリンピック・パラリンピックの開催を心待ちにして新年がスタートしましたが、結果的には「新型コロナに始まり」、「新型コロナに終わった」1年となりました。生活や仕事に困難が生じておられる方も多いかと思います。そのことを解決していくことが、私たち政治家の役割ですので、年末年始関係なく最大限の努力を続けてまいります。
12月に入り、いわゆる「Go Toトラベル」等のキャンペーンを継続するか中止するかで大きな議論が沸き起こりました。そのことは重要なテーマのひとつではありますが、本質的な問題として「医療崩壊をどう防ぐか」が根底に横たわっています。今回は「医療機関に対する支援の方法」について、是非、皆さんに考えていただきたく思います。
「医療崩壊」の定義は、実は明確には定まっていませんが、私の中では「新型コロナウイルス感染症患者が急激に増加することによって、いつもなら助かるはずのケガや病気の患者さん(例えば交通事故や心筋梗塞、脳梗塞など)が次々に命を落とし始めること」だと認識しています。一部の地域では、まもなくそのようなことが起こり始めるのではないかとさえ言われています。
そのような中で、政府も都道府県を通じて補正予算等で交付金を用意して、医療機関へのサポートをしてはいますが、現状では私は不十分だと考えています。
不十分である最大の理由は、「新型コロナ患者さんを受け入れていない医療機関」への予算配分がとても手薄だからです。この質問を国会で多くの議員が投げかけても、政府の答弁はほぼ「新型コロナ患者さんを受け入れることに対する予算措置であり、新型コロナ患者さんを受け入れていない医療機関に予算を出すことは納得が得られない(できない)」というものでした。
しかし、いま迫っている「医療崩壊」の内容を考えた場合、新型コロナ患者さんを「受け入れている医療機関」と「受け入れていない医療機関」を分けてサポートすることに意味はあるのでしょうか?新型コロナ患者さんを受け入れていなくても、今までと同じように感染防止策を万全にしながらけがや病気の救急患者さんを受け入れてくれる医療機関、あるいは通常診療のペースを落とさずに行ってくれる医療機関等々は、「医療崩壊」を防ぐためにはとても大事な存在ではないでしょうか?「多くの会社や個人が困っているのに、医療機関だけ特別扱いするのはどうか?」との意見もあるようですが、今こそ「特別扱い」をすべきだと私は言いたいです。
具体的には、前年と比較して今年になって落ち込んだ医療機関の「診療報酬分」を、100パーセントは無理としても何割かを自動的に「補填」すべきだと考えています。
そして新型コロナ患者さんを受け入れているか否かに関わらず、新型コロナ感染症対策に各医療機関が必要とした概算経費を素早く、医療機関の銀行口座に振り込むことです(今もそのような予算はあるのですが、非常に少額です)。そうすれば少なくともギリギリで頑張ってくれている医療従事者への給与や手当、賞与等を確保することが可能となり、地域医療は安定するはずです。このような主張を私はこれからも行ってまいります。
寒さが急に厳しくなってきましたが、なんとか今の難局を乗り越えるべく頑張ってまいりますので、来年もご支援の程、よろしくお願い申し上げます。
良いお年をお迎えください。
梅村 聡