月一コラム第十二弾!令和2年11月号
新型コロナウイルス感染症の流行が続き、政府の専門家会議からも様々な情報発信が行われています。先日は、テレビのニュースで、新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長が「会食の際、口に物を入れるときだけマスクを外して、食べ物が食道に入ったら、またマスクをつけて会話するように」と呼びかけておられました。医学的にはとても大事なことですが、そこまで危険を冒して会食をするのもいかがかとも感じました。
私が小さい頃、すなわち今から約40年前を思い出せば、確かに新型コロナウイルスが広がらない生活様式だったように思います。私の祖父は、絶対に外食をしませんでした。その理由は「誰が使ったか分からない食器で食事をするのは怖い、、、」と。私の祖母は、私が両親と一緒に外食をすることに否定的で、「家で料理すればうどんは一玉50円で手に入るのに、お店できつねうどんに400円も払うのはおかしい」とぼやいていました。さらに祖母は「食事中は背筋を伸ばして、食事が終わるまでしゃべるな」とも言っていましたし、極めつけは、仏壇に供えていた仏様用のご飯にお茶をかけて、お茶漬けにして昼ご飯にしていました。決め文句は「無駄なお金を使ったらバチがあたる」。
子どもながらに何となく馬鹿にしていましたが、よく考えてみると、「ウィズコロナ」「アフターコロナ」の新しい生活様式の本質がそこに隠れているような気がします。
もちろん現代は経済活動も複雑になり、シンプルな生活や質素倹約の徹底で全て解決できるとは到底、思えませんが、祖父母の知恵と、感染症対策、経済を回すことのバランスについて、ふと思うようになりました。
ちなみに、祖父母は、糖尿病や高血圧、がんにもならず(祖母にがんは見つかりましたが、がんが大きくなる前に寿命がきました)、二人とも90歳代半ばで老衰によりこの世を去りました。よく考えると最後まで「医療」に負担をかけない人生だったのだと思います。皆様には、いろいろなお立場があるかと思いますが、これから年末年始にかけて、どうか「医療」に過度の負担やしわ寄せがいかないような生活をお願いしたいと思いますし、私もそのことに主眼を置いた政策を進めていきたいと考えています。
梅村 聡